こんにちは。カウンセリングオフィスGardenです。
もうすぐ夏休み。旅行やキャンプ、夏休みならではの体験教室など、
お子さんにいつもと違う体験をさせてあげられるチャンスですね。
その時、親が「ためになりそう」と思うものを選ぶのか、子どもの
「これがやりたい!」を選ぶのか。ちょっと悩ましいところです。
今回は、お子さんの中に「自分はこれが好き!」を育むことの意味について、考えてみたいと思います。
「社会の正解」だけで生きる危うさ
私たちはつい、「今のうちに頑張っておけば、将来苦労しないよ」
という言葉でお子さんの背中を押したくなります。 英語、パソコンスキル、
スポーツ…。これらは社会で生きていくための「現実的なスキル」であり、これらを
身につけさせてあげたいと思うのは、子どもの将来を思うからこそです。
ただ、ここで少し立ち止まっていただきたいのは、その目的がいつのまにか
「勝つためのもの」「評価されるためのもの」になっていないか、ということです。
もしお子さんが、こうした「外側からの評価」や「正解」だけを基準に
物事を考えるようになってしまったらどうなるでしょうか。
テストの点数や周りよりもうまくできることが正解だと思いこんでしまうと、
どこかでつまずいたり、思うような評価が得られなかったとき、自分の価値を
信じられなくなってしまうかもしれません。
「こんなに頑張ったのに、勝てなきゃ意味がない」と、自分の努力を結果だけで
判断してしまうことのないよう、心の中に「もうひとつの物差し」を持っておくことが、大切ではないかと思います。
「自分だけの好き」が、心を守ってくれる時がある
「もう一つの物差し」とは「自分はこれが好き」と言えるものの存在です。
これには、どんな役割があるのでしょうか。
それは単なる趣味を超えて、お子さんの心の中に「もう一つの世界」を
つくるということです。それはいざという時に子ども自身を支えてくれる
「自分の中の味方」になってくれます。
例えば、夢中で虫を観察する、何時間も絵を描いている、
好きなことについて話し出すと止まらない……。
大人は「そのエネルギーを勉強につかってくれたらいいのに」と言いたくなりますが、
その「理屈抜きの没頭」は、見えないところで、お子さんの心を育てます。
なぜなら、子どもの世界と言えども、学校や友達関係の中では、
うまくいくことばかりではありません。頑張ってもなかなか認められなかったり、
誰かと比べられて落ち込むこともあるでしょう。
そんな時でも、
「これが好き」
「これをやっていると楽しい」
と思えるものを持っているお子さんは「他の人に何を言われようと、
自分には〇〇がある」と思うことができます。
もし、結果や勝ち負け、周囲からの評価だけが心の支えになっていると、それらが
得られなかった時、結果=自分の価値のように感じられ、自信を失ってしまいます。
だからこそ、結果を得るためではなく、ただ好きだから夢中になれるものを
持っていることは、厳しい状況に置かれた時でも、お子さんの心を支える
力強い応援団となるのだと思います。
「没頭する体験」が育むもうひとつの力
「好き」に没頭する時間にはもうひとつ大きなメリットがあります。
それは、好きなことに夢中になる経験を通して、
「自分はどんな人間なのか」を知っていくということです。
何をしている時にワクワク胸が躍るのか。何に心を動かされるのか。
どんなことなら、時間を忘れて続けられるのか。
そうした経験を重ねる中で、お子さんは少しずつ、自分について理解を
深めていきます。自分の「取説」を作っていくと言ってもいいかもしれません。
もちろん、子どもの頃に好きだったものが、そのまま将来の仕事や進路につながるとは限りません。
大切なのは、進路を選んだり、人生の節目で立ち止まったりした時に、
「自分は何をするのが好きなのか」「自分は何を大切にしたいのか」を
知っていることです。それは、世間一般の「正解」に流されず、自分らしい納得のいく道を
選んでいくための、大きな助けになるはずです。
おわりに:親として、そっと見守ること
親としてできることは、お子さんが見つけた「好き」を、見守ってあげること
かもしれません。 たとえそれが、将来役に立つかどうかわからなくても、その
夢中になる時間そのものが、お子さんの心を内側から強く豊かに育てています。
「社会のルール」を学び、適切に振る舞う力も、もちろん大切です。 けれど、
それと同時に、誰にも邪魔されない「自分だけの好き」という宝物を持っていること。
この二つのバランスが取れている状態こそが、健やかな自立への道ではないかと思います。
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