【子育て】「はやくしなさい」が子どもに伝わらないワケ

こんにちは。カウンセリングオフィスGardenです。

 

子どもに「宿題をやりなさい」と言ったら、「後でやる」と返される。

いつ始めるかと待っていてもなかなか動かない。

そんなイライラを繰り返している親御さんは少なくないと思います。

 

『勉強しなさい』と言うのをやめれば、子どもは自分から勉強するように

なる、という話を耳にすることもありますが、「そんなに簡単な話ではない」と

思う方も多いのではないでしょうか。

 

中には「本人に任せたら、宿題をやらないまま登校していった」という

“強者”もいます。やっぱり声をかけざるを得ないけど、言えば言うほど

子どもは反発する。親としては困ってしまいますよね。

 

 

「どう言えば動くか」の前に大切なこと

この時、私たちは「どう言えば子どもは動くのか」という言葉の工夫に

意識が向きがちです。けれどその場の様子を詳しく見てみると、

言い方の問題だけではないことも少なくありません。

 

例えば、同じ「宿題の声かけ」の場面でも、関わり方によって

子どもの受け取り方は大きく変わることがあります。

 

【例①】

親「早く宿題をやりなさい」

子「後でやるよ」

親「そう言って、いつもやらないじゃない」

子「昨日は、宿題くらい自分で時間決めてやれって言ってたじゃん」

親「じゃあ、いつやるのよ」

子「だから後でやるって言ってるじゃん」

 

このような会話が日常的に繰り返されると、子どもは「また責められている」

「結局、親の言う通りにしないと怒られる」と感じてしまうかもしれません。

 

【例②】

親「今日の宿題、どれくらいかかりそう?」

子「30分くらいかな」

親「ご飯まで1時間あるけど、先にやる? ご飯の後にする?」

子「いまゲームが途中だから、ご飯の後にするよ」

親「じゃあ、7時になったら声かけるね」

 

もちろん、こう声をかければ必ずうまくいくというわけではありません。しかし、

ポイントは、子ども自身が「いつやるか」を考えられる余地を残すことで

主体的に動きやすくなっている点です。

 

 

子どもの視点から想像してみる

「早くやりなさい」と繰り返し言われ続けた子どもは、「宿題をやること」そのものよりも

「また責められている」「どうせ自分の考えは認めてもらえない」という感覚を持ちやすくなります。

 

もちろん、親としては「このままで大丈夫だろうか」「困るのはこの子だから」と

子どもを思うからこそ、何度も声をかけているのだと思います。

 

親にとって宿題は、単なる今日だけの課題ではありません。

「勉強についていけなくなるのではないか」「後回しにする癖がつくのではないか」という

心配があるからこそ、何度も声をかけたり、強く言いたくなります。

 

心配が大きくなると、親の意識は「宿題を終わらせる」という“結果”に向きがちです。

その結果として、「なぜ今は動けないのか?」「この子が動きやすくなるために、何が必要か?」

といった「子どもの視点」が薄れてしまうのかもしれません。

 

 

 

言葉が伝わる「関係性」

ここで大切なのは、親が指示を出すか出さないか、ではありません。

子どもが、「自分のことを分かろうとしてくれている」と感じられる関わりがあるかどうかです。

 

人間は、自分を理解しようとしてくれる相手の言葉には耳を傾けやすくなります。反対に、

「どうせ何を言っても否定される」「結局、親の思い通りにしないと怒られる」のように感じると、

たとえ正しい内容であってもその言葉は届きにくくなります。

 

もちろん、その子の性格や発達特性を抜きにして、すべてを親の関わり方だけで説明することはできません。

一方で、子どもが親の言葉を聞かない時、私たちはつい

「言うことをきかない子だ」「やる気がない」と考えてしまいがちです。

 

子どもの態度には、性格や発達特性など、さまざまな要因が関係しています。その上で、

多くのご家族を見ていると、日々の親子のやりとりが、お子さんの反応に影響していると

感じる場面も少なくありません。

 

「安心して失敗できる関係」「意見を言っても頭ごなしに否定されない関係」の中で、

子どもは自分で考え、挑戦しようとする姿勢を身につけていくのではないかと思います。

 

 

まとめ

子どもは、「正しいことだから」動くわけではありません。

「自分をちゃんと見てもらえている」と感じた時に、はじめて

相手の言葉を受け取りやすくなります。

 

関わり方を変えたからといって、すぐに子どもの反応が変わるとは限りませんが、

「どう言えば動くか」というテクニックを考えたくなったら、

「自分は子どもの視点で見ているかな?」と、少し振り返ってみてください。

 

子どもの視線を意識してみることで、親と子の関係は少しずつ変わっていくのではないかと思います。