こんにちは。カウンセリングオフィスGardenです。
「こうした方が、いいんじゃない?」
軽くアドバイスしただけなのに、急に不機嫌になったり、
黙り込んだり。時には、急に怒り出すことも……。
今回は、思春期の子どもの傷つきやすさと、
親が気をつける「言葉の使い方」について考えてみたいと思います。
思春期の子、なんでこんなに扱いにくいの?
ちょっとしたことで
すぐ怒る、すぐ傷つく、すぐ落ち込む…。
親にとって、これは結構しんどいものですよね。
そんなつもりで言ったわけではないのに…。戸惑ってしまうことも
あるかと思います。
かといって、完全に本人任せにするにはまだ危なっかしい年齢で、
そうもいかない。そんなジレンマ、親御さんなら誰でも一度は経験があると思います。
でも、ここで少しだけ視点を変えてみてください。
思春期の子どもが親の言葉に過剰に反応するのは、成長途中に生じる
変化のひとつです。その背後には、痛みを感じやすく、傷つきやすい
「思春期特有の心性」があります。
頭の中で起きている思春期特有の「拡大解釈」
お子さんの頭の中では、私たち大人の想像を超えた
「拡大解釈」が行われています。
本来、アドバイスというものは、その人の「行動」に対する
フィードバックです。大人であれば、「あ、そこは修正すればいいんだな」と、
問題と自分を切り離して考えることができます。
しかし、思春期の子は他人の評価に敏感です。
「単なる行動への指摘」は、一足飛びに「能力の欠如の指摘」へ、さらには
「存在そのものの否定」へとすり替わってしまいます。
つまり、「そのやり方は違うよ」という何気ない言葉が、お子さんには
「だからお前はダメなんだ」「お前はダメな人間だ」と聞こえているのですね。
なぜ、そこまで極端に解釈するのか
どうして、そんなに極端な意味づけが起きてしまうのでしょうか。
ひとつは、思春期が子どもから大人へと生まれ変わる途中の
「自分とは何か」が揺らぐ特別な時期だからです。
人は、ある程度の自信や安心感を持っているときは、他者から指摘を受けても、
それほど揺れません。しかし、大人への脱皮の途中にいる思春期の子どもは、常に
「自分はこれで大丈夫なのか」と不安を感じています。
そのため、小さな指摘に「やっぱり自分はダメなんだ」と不安を刺激され、
感情が爆発したり、落ち込んでしまうのです。
もうひとつ考えられる要因は、「過去の記憶の呼び覚まし」です。
これは、現在の出来事が、過去の強く傷ついた記憶に結びついてしまう現象です。
たとえ思春期で感情が揺れやすくても、衣食住の基本的生活が大きく乱れることはありません。
しかし、生活が乱れる、登校できない、人間関係を避けるなど、
生活に大きく影響している場合には、この「過去の記憶」が関係しているかもしれません。
「もう二度とあんな思いをしたくない」という恐怖感から、
目の前の小さな指摘を、かつての恐怖と同じくらい危険なものだと
誤認してしまう心の動きです。
親ができることは?~「行動と存在を分ける」お手伝い
残念ですが、感情の反応そのものを意志の力で止めることはできません。
これは脳の仕組みだからです。でも、その後にできるシンプルなアプローチがあります。
それは、「今の話は行動の話か、それとも存在の話か?」と問いかけることです。
お子さんの気持ちが落ち着いてからで構いません。
「さっき伝えたのは、やり方の話であって、あなたという人間を否定する話ではない」
「私は、たとえ未熟であってもあなたの人としての“芯”を認めている」
というメッセージを、地道に伝え続けていくことです。
もちろん、一度や二度では、届かないかもしれません。それでも機会を見つけて
繰り返し伝えていくことは、お子さんの中に「自分で考える余白」をつくる助けになります。
後から振り返って、「あ、あれは自分の存在を否定されたわけじゃなかったんだ」と
気づくこと。その積み重ねが、少しずつ反応を和らげていきます。
親である私たちも、自分の言葉を振り返る
そして私たち親の側も、ひと呼吸置いて
自分に問いかけてみてください。
「今の言葉は、行動を指していたか?
人格を否定する響きになっていなかったか?」
親も人間です。イライラしていたり、急いでいたりして、
つい言葉が雑になることはあります。
そんなつもりがなくても、子どもの耳に人格を否定していると
聞こえる言葉になっていないか。その「謙虚な振り返り」の習慣が、
家庭の中の空気を穏やかな物に変えていきます。
まとめ
思春期という時期は、子どもにとっても家族にとっても、本当に難しい時期です。
うまくいかないことがあっても、それは新しい関係を築こうとしている
大切なプロセスです。 焦らず、ひとつひとつの階段を
「私たち親子」のペースで共に歩んでください。
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