街を歩いていると、スーパーや電車の中で小さなお子さんがかんしゃくを起こしている場面に出会うことがあります。しゃがみこんで大声で泣いていたり、手を振り払って走り出そうとしたり。
親子の気持ちのすれ違いがひしひしと感じられて、見ているだけでつらくなります。
子育てをする親にとって、子どものかんしゃくは本当に心のエネルギーを消耗するつらい悩みです。
一方で、それは、まだ幼いお子さんの精一杯の「ヘルプサイン」です。
親も子も、どちらもつらい。
この状況をなんとかできないものでしょうか。
今回は、お子さんがなぜかんしゃくを起こすのか、
その原因と背景について、考えてみたいと思います。
かんしゃくはなぜ起こる?—4つの主な原因
子どもがかんしゃくを起こす原因は一つではありません。発達段階や個性、その場の状況など、さまざまな要因が絡み合っていて、
単なる「わがまま」ではありません。
親御さんに知っておいていただきたい、よくある原因には以下のようなものがあります。
① 言語力の未熟さ
「おもちゃが欲しい」「もっと遊びたい」
まだ自分の感情を言葉で表現することが難しい時期の子どもは、自分の気持ちが伝わらないことにもどかしさを感じています。この「伝えたいのに伝わらない」という気持ちが、かんしゃくという形で表れてしまいます。
② 先を見通す力の未熟さ
「いますぐ遊んでほしい」「おやつがほしい」。先の見通しを持つことが難しい幼い子どもは、自分の要求が通らない理由をまだ理解できません。
あるいは頭では理解できても感情をコントロールする力が未熟なお子さんもいます。この「なんでダメなの⁉」という怒りが、かんしゃくの原因となります。
③ 変化に対する不安
「こだわりが強い」「急な予定変更が苦手」といった特性を持つお子さんの場合、いつもと違う状況や、急な予定の変更は強い不安の原因となります。この不安をうまく処理できず、気持ちが不安定になり、かんしゃくにつながることがあります。
④ 感覚の過敏さによるストレス
お子さんの中には、感覚が過敏で、一般の人は気にならない些細な刺激を強く感じてしまう子がいます。服の肌触り、何気ない物音や話し声、太陽や蛍光灯の光など、日常のさまざまな刺激が知らず知らずのうちにストレスとなって、イライラやかんしゃくの間接的な原因となることがあります。
まとめ
このように、子どものかんしゃくは、単なる「わがまま」ではありません。それは、お子さんからの切実な訴え(サイン)で、その背後にはさまざまな原因があるのです。
原因があることを知るだけでも、「どうしてうちの子は...」というネガティブな気持ちにならずに済むのではないでしょうか。
続く【第2回】では、「かんしゃくの習慣化」を掘り下げ、習慣化させないための具体的な対応のコツをご紹介したいと思います。
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