その「強さ」あなたを苦しめていませんか?:頑張ることをやめられないあなたへ

 

こんにちは。カウンセリングオフィスGardenです。

 

心の不調を抱えて、カウンセリングに訪れる方のお話を伺っていると、

多くの方が「もっと強くならなければならない」とおっしゃられます。

 

それらの方たちは、すでにとても強く、ずっと頑張ってきた人で、

強いからこそ、こんなに疲れるまで頑張れたんだろう、と思わせる方たちです。

その「強さ」が、かえってその方を追い詰めてしまったのでしょう。

 

この記事では、そんな方たちに向けて、

あなたの強さと頑張りはもう満点、次は力を抜くというステップに進んでください、とお伝えしたいです。

 

頑張りすぎを止めて、心のゆとりを手に入れるための具体的なヒントをご紹介したいと思います。

 

「頑張り」は大事。もうひとつ大切なのは心の「しなやかさ」

皆さんは「レジリエンス」という言葉をご存じでしょうか。

 

「レジリエンス」とは、もともと「弾力性」とか「復元力」という意味で、

人の心理においては、「精神的回復力」=「困難やストレスに対し、しなやかに適応していく力」を意味します。

 

つまり、ダメージを負っても、自己回復して元の元気な状態に戻れる能力、ということですね。

 

言い換えると、困難やストレス状況にあっても、しなやかに受け流し、回復しながら乗り越えていく、そんな「しなやかさ」の能力です。

「頑張ること」=「強さ」ではない

私たちはしばしば、頑張れる人、一人で解決できる人を「強い人」と表現します。

子どもの頃からそのように教えられてきた人も少なくないでしょう。

 

しかし、この種の強さは、例えるなら硬い岩のようなものです。

石や岩は高い強度を持っていますが、衝撃に脆く、一度割れてしまうと元に戻すことはできません。

 

これに対して「しなやかな強さ」とは、青竹のようなものです。

強風に吹かれてもしなって折れることなく、すくすくと成長を続けます。

 

長い目で見た時、どちらがより成長していくかは、一目瞭然です。

このしなやかさを手に入れるため、まずは、自分の中の「頑張り続けることが強さ」という考え方を変えることから始めましょう。

しなやかさを身につける3つのコツ

1. 完璧主義をやめる

常に100点を取り続けること、トップを走り続けることは、多くの人にとって理想的な姿ですが、

残念ながらそれを実現することはできません。

 

「~ねばならない」という思いにとらわれ続けることは、心身に過大な負担をかけて不調を招くだけでなく、

時に自分自身の「~したい」という心の声を見失わせます

 

完璧主義のとらわれている人は、疲れて身も心も動かない状態であっても、

「何がしたいですか?」という質問に「〇〇をしなければならない」と答えます。

 

心が感じる「~したい」と頭が考える「~しなければならない」の区別がなくなってしまっているのでしょう。

 

このような完璧主義から離れるために、まずは目標を「これまでの7割」に設定し直すことから始めましょう。

本当に疲れている時は、「半分を超えればOK、5割でいいや」くらいでちょうどよいと思います。

 

自分自身をいたわるために、そして今後の人生をしなやかに生きるため、まずは「ほどほどでOK」の感覚をつかむことが大切です。

2.助けを求める

ふたつめのコツは、誰かを頼ることです。

 

頑張る人は、他人に頼ることを弱さと感じる人が少なくありません。

確かに人に助けを求めることことは、いろいろな不安や葛藤を伴います。

必ず「良い相談相手」に巡り合えるとは限りませんし、せっかく相談したのに、

かえって嫌な思いをしてしまう可能性もあります。

 

相談のコツは、『期待しずきないこと』です。「この人、アタリだったらいいな」くらいの気持ちで、

“さわり”だけ話し始めてみて、「違うな」と思ったらすぐに話を終わらせましょう。(“逃げ足”は大事です)。

 

そうして話を聴いてくれる人を、諦めずに、でも気楽に、探してください。

 

どうしても話せる人がいなかったら、AIと話すのもいいかもしれません。

人間の良い相談相手にはかないませんが、一時的な話し相手としては、悪くない思います。

 

ピンチの時は、ためらわずに「助けてほしい」と伝えられることは、「しなやかさ」の大切な条件のひとつです。

 

SOSを出すことの難しさついては、過去記事に書きましたので、よかったら読んでみてください。

 

『「助けて」が言えない人の心理』シリーズ

・「どうせ無駄」と思ってしまう人の心理(準備中)

・「迷惑をかけたくない」と思ってしまう人の心理(準備中)

・「弱みを見せたくない」と思ってしまう人の心理(準備中)

・「伝え方がわからない」と思ってしまう人の心理(準備中)

3.積極的・計画的に休養をとる

これまでの7割で生活することに慣れたら、余った3割はしっかり休養することに回します。

 

身体の疲労回復にもっとも有効なのは睡眠です。

毎日ある程度決まったリズムで十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとることは何よりも疲労回復に効果的です。

そのために、生活リズムを整える、就寝前の過ごし方を工夫する等ためしてみてください。

 

仕事や家事の合間に適宜休憩をはさむことも忘れずに。

自分の体質や体力をよく理解し、無理せず早めに休養を心がけることが必要です。

 

身体を休ませることと同様、心も定期的に休ませ、リフレッシュすることが必要です。

具体的には、趣味や好きなことに没頭する、親しい人と楽しい時間を過ごす、

何もせずぼんやりできる時間を作る等があります。

 

疲れの原因となっているストレスやネガティブな思考から一時的に離れることで、

脳の負担を減らし、低下したエネルギーを回復することができます。

まとめ

本当の強さとは、頑なに耐えることではなく、しなやかに力を抜くことです。

完璧主義を手放し、適度な手抜きを許し、ストレスを上手に受け流す方法を身につければ、

これまでよりも豊かで生き生きとした人生になると思います。