「そのままでいい」と言われるとモヤモヤする人


こんにちは。カウンセリングオフィスGardenです。

 

世間でよく言われる言葉に

「そのままでいい」「あなたのままでいい」というものがあります。

 

カウンセリングの場でも、ときどき使います。

この言葉は、疲れ切っている人の心にはとてもよく沁みるのですが、

 

今まさに葛藤の真っただ中で、

悩み続けるエネルギーがまだまだあって、

 

「もっとがんばりたい」

「まだできることがある」と思えている人には、

しっくりと伝わらないことが多いです。

 

たぶん「今のままでいい」という言葉では

何か、自分の向上心を否定してしまうような、

もやっとした気持ちが湧くのでしょう。

 

「成長したい」とか「充実感を得たい」とか

その人にとっての“活力の元”になっているものと

矛盾してしまうのかもしれません。

 

とはいえ、相談に来られる方ですから、

やはり苦しい気持ちを抱えていらっしゃいます。

このような方たちの「向上したい」という気持ちの裏側には

「きちんとしなければいけない」

「失敗できない」

という気もちがあることが多いです。

 

これらの気持ちは、

勤勉である続けるからこそ他者から認められて、

安心して生きていられる、という意味で

その人の生きる原動力になっているのですが、

加減を間違えると自分自身を疲弊させます。

 

気を抜くたびに

じりじりと、崖っぷちに近づいていくような

息をつけない戦いになります。

 

このヒリつくような危機感は、

「そのままでいい」

という、現状を肯定する言葉では解決しないのだと思います。

そのような時、私はよく

「人間は、まあこんなもんですよ」と

言い換えます。

 

そうすると何か心にひっかかってもらえることが

多いです。

 

「みんな、こんなもん」

「あなたも私も、ただの人だから、こんなもんでだいじょうぶ」

 

世の中の人のほとんどが「こんなもんだ」という事実は、

「世界はあなたが思っているよりも

安全である」ということを意味しています。

 

 

向上心は持ち続けていい。

向上心を持っているあなたは素晴らしい。

 

でも、理想通りにならなくても、自分を責めないでほしい。

だって、世の中のほとんどの人は、

不完全で、ほどほどで、いい加減なのですだから。

 

それでも、なんとかなります。

だいじょうぶですよ、とお伝えしたいと思っています。